昨日今日とSさんからご依頼の長財布1型の制作を行っておりました。
長財布1型とは?
カードが6枚に、お札入が2か所のシンプルで薄い手縫の長財布です。
マチ付きの特注品
今回制作する長財布は黒のブッテーロに札入れ部分をマチ付きにするという特注品です。ハリのあるブッテーロからパーツを切り出していきます。切り出し方は型紙からケガキ線を入れて、研いで切れ味抜群の革包丁で真っすぐかっとしていきます。カッターと違い、革包丁なら定規は使用しなくても真っすぐ切れます。ちょっと前まではもう少し大きめの革包丁を使っていましたが、最近は革漉き用の薄刃の革包丁で切っています。
パーツをカットし終えたら、それぞれのパーツのコバを磨き上げておきます。パーツ磨きは基本的にやすり掛けで番手を上げていき、最終的にはヘチマ磨きを行います。
最初にカード差しの制作から始めます。手縫いのための目打ちをしたパーツを丁寧に黒のリネン麻糸で手縫いします。薄い革で一番力のかかる部分には極薄の豚革を挟み込んで補強しておきます。
パーツ類を本体の革に縫い付けていきます。こちらもご指定の黒のリネン麻糸を使って手縫いします。いつもと違うのはここでマチを付けていきます。笹マチで最大開口部は2cmほどマチが生まれます。
黒いブッテーロのマチ付き長財布1型が完成しました
秋本番。ちょっと出かけたいですね。
先月から少しずつ整備していた、くも舎のもう一つの舎用車のベスパ。すっかり元気になりまして、ちょっと肌寒いですが軽く秩父のほうまで行ってみようかと思っています。