今日はHさんからご依頼いただいたトートバッグ業務型SLのお直しを行いました。
トートバッグ業務型SLとは?
トートバッグ業務型SLは、タフな扱いにも耐えられるよう、水・汚れ・傷に強くて柔らかい、クローム鞣しのシボ革を使用したシンプルなトートバッグです。沢山の道具を放り込めるようマチも大きく、B4ファイルが横にすっぽり入る大きさになっています。
制作過程
2017年にお作りして約5年経過したトートバッグ業務型SLの持ち手のステッチほつれのお直しです。
2017年当時使用していたラミー糸です。黒い糸を使ってステッチしておりましたが、色抜けが確認できます。ほつれた糸を引っ張るとフワフワと繊維がほつれていきます。この状態ではすべての持ち手もいずれ同じ状態になりますので、この機会に2018年から採用している台湾の六花リネン糸で縫いなおしします。
まだ切れていない糸も切って解きます。せっかくの縫いなおしですので色替えです。六花リネン糸53金赤で縫いなおします。
黒革に赤ステッチが映えますね。これを4カ所。
黒いトートバッグ業務型SLお直しが完了しました
使い込まれて味わいのある風情。ところどころ銀面(革の表面)が擦れている部分もあります。それもまた業務用として使っていただいた証です。赤いステッチもさりげなくて合っていますね。
クローム鞣し革のエイジング
今回制作から5年を経て戻ってきたトートバッグ。手に取ってわかりますが、まだまだ革は元気そうです。くも舎は創業当初から植物タンニン鞣し革をメインで作ってきました。革のエイジングと言えば一般的に植物タンニン鞣しですが、ここ最近クローム鞣し革のエイジングに興味が出てきました。それもコバ切りっぱなしのクローム鞣し革。色々とヒントをもらいました。
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