ペーターのかばんを試作しました

いまから半年前にご依頼されたかばんの試作をすすめることにしました。依頼主のYさんに「ゆっくりで大丈夫です」と気を使ってもらっていて申し訳ないなぁ…と思いつつ。

さて、今回おつくりするのは、かの有名なペーターさんが愛用しているかばんです。詳しい内容は省略しますが、あの丸みを帯びた何の変哲もないかばんが、どういう風に生まれたのか考えをめぐらしてみましょう。

ペーターのかばんとはどんなものだったか

ペーターがあの肩掛けかばんを持ってアルプスの山を駆け回っていた時代は19世紀末くらいだそうです。そういう時代背景を考慮しながら空想にふけり、彼のかばんを再現してみます。

農業は主に標高が低く温暖な渓谷部分で行われているが、アルプスでは酪農が広く行われている。かつては冬の間は渓谷にある牛小屋で牛を飼い、春になると中腹の牧草地で、夏にはさらに高いところにある牧草地へと牛を移動させ、秋が来るとまた牛を低地へと移動させる移牧が盛んに行われていた ―wikipedia

ペーターはハイジの友達でヤギ飼いの少年。木工細工が得意 ―wikipedia

という事などからペーターは手先が器用で、時代的に考えてもかばんを自分で作ったに違いないと思います。革は何だろう?ヤギ飼い少年ですからヤギ革かもしれませんが、ここはアルプスで育った牛革という事にしましょう。そしてショルダーベルトもバックルなどの長さ調節の金具は簡単に手に入らなかったでしょう。得意の木工細工で作ったかもしれませんね。少年が自分の手で革かばんを手縫いしていたと考えると、一番簡単なのは二枚の革を合わせて縫って、ひっくり返す内縫いのかばんでしょうか。いや、相当手先が器用ですからマチのある外縫いのかばんくらいは作れたかもしれません。しかし、外縫いはどうしても角が立つので硬い印象のかばんになります。それでは外縫いで尚且つ丸みを帯びたかばん…となるとこうなるに違いない。そう思って試作を開始し早速革をカットします。

かばんのマチは縁縫いで縫い目を外に出しつつ、自然と柔らかく丸みを出していきます。この縫い方はとても縫いづらいのですが、無理に折り曲げないので革にかかる負担も少なくて、修理もしやすいかばんになります。試作ですので本体部分だけ作ってみましたが、予想通りふんわりとした印象に縫い上がりました。また、手作り感のあるかばんですので、ステッチの間隔(ピッチ)も大きく取ってざっくりとした印象に仕上げます。

かぶせ蓋を取り付けて内ポケットを付ければ試作品の完成です。イメージ通りのかばんになりました。きちんとステッチも表面に現れて革色と糸の色の組合せも楽しめそうです。


今日はここまで。

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