革用ワックスは水と擦れにどれだけ有効か実験してみた

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お手入れの実験をしてみましょう

革製品のケアグッズとして一般的に使用されているワックスを使用して、革の表面に対する効果のそれぞれの違いを調べてみましょう。『革は外と内をお手入れする』という基本がありますが、今回は外のお話です。革の内側のメンテナンスについては別途書かせていただきたいと思います。
この実験はあくまでも栃木レザーのヌメ革を使用してのものですので、世の中すべてのヌメ革に当てはまるかどうかは不明です。また、実験に関する考察はあくまでも石原個人の考察であることをご承知おきください。

お手入れ実験用のヌメ革を用意

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準備したのは、くも舎のカバン製品で使用している栃木レザーのヌメ革でキャメルです。こちらを適当な大きさにカットして、間違いのないように革の左上に数字を刻印しておきます。この3つの革にそれぞれ違うワックスでお手入れを施してどのような違いが出るのか調べてみることにしました。

実験開始

それでは革にメンテナンスを施しましょう。それぞれのメンテナンスの違いは下記のとおりです。塗布するワックスは一般的なレザーワックス(クリーム)で、特に艶が出ると言われているものを選択しました。
【1】何もしない革
【2】ラナパー(蜜ロウ、ホホバオイル、ラノリン、ワセリン)を塗布した革
【3】ムゥブレイ アニリンカーフクリーム(蝋、油脂、有機溶剤)を塗布した革

塗った後早速違いが出る

【2】【3】ともに薄く革の表面に塗った後、30分経ってから、コットンクロスで乾拭きしてみました。
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一番艶の違いがわかるように光を当てて撮影したものです。まず、塗った直後なのですが、【2】【3】ともに、革の色が濃くなりました。これは革に脂分が浸透しているためだと思われます。塗る時にちょっと濃度にムラが有ったりすると色の濃さも斑になったりして、「ああ!綺麗な革にシミが出来てしまった!」と思われがちですが、辛抱して30分経つと銀面(革の表面)から浸透した脂分が消えて色の濃さは戻ります。ただし、【1】と比べると若干濃くなります。そしてコットンクロスで乾拭きすると、【2】にくらべて【3】の艶が強く出てきました。指で折り曲げて光の反射がわかるように撮影してみました。

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あまり分かりませんかね…
ワックス成分の中のロウ分が革の表面に残って、乾拭きした際に表面が平滑になることによって艶が出てきます。写真で見て頂ければ分かる通り、【3】のほうがより艶が出ています。【2】の方は塗ったあとは艶があったのですが、乾拭きしていくとややマットな【1】に近くなっていきました。これにより、【3】のほうが【2】に比べて表面に残るロウの成分が多い、もしくは取れにくい性質があるのではないかと考察できます。

水をつけて見たらどうなるか

それでは水に対する強さはどうでしょうか?【1】【2】【3】に対して、水を含ませたメラミンスポンジを押し付けてどうなるか調べてみました。

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水を塗った直後の写真です。【1】はすぐに革に染みこんで行き、水シミが濃く出ます。それに比べて【2】、【3】ともに水が弾き革の中に浸透していません。

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1分経過してから表面の水を乾いたタオルで擦らないように押し当てて拭きました。【1】に関してはやはりシミができていますが、【2】【3】はシミは出来ていません。ただ若干ではありますが、どちらも水滴のついていた表面の艶が失われ浮いているような感じになりました。水滴を拭き取らずにそのままにしていたら、いずれ表面から水が浸透してしまうと思われます。防水性に関しては過信は禁物でしょうが、効果はありそうです。水がついたらすぐに拭き取れば雨ジミは出来ませんね。

摩擦による擦れはどうなるか

それでは摩擦への強さはどうでしょうか?こちらも【1】【2】【3】に対して汚れのない木の棒を擦りつけて、表面にできる擦り跡がどうなるか調べてみました。

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摩擦に使ったのはこの柄の部分です。丸みがありますのでこちらを革の表面に当てて、同じ力(鉛筆で文字を書くくらいの力)で横に【1回】と【5回】擦ってみました。

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結果です。革の中段にある痕が1回擦ったもの、下段にある痕が5回擦ったものです。【1】と【2】と【3】ともにすべて5回擦った場合は擦り痕がつきました。しかし、1回擦ったものに関しては【3】につけた痕が薄くて、光の加減では殆ど痕が分かリませんでした。これによって、【3】のワックスによる表面のコーティングは多少の摩擦には強いが、何度も擦れるとコーティングは無くなってしまう事がわかりました。まあ、過信は禁物でしょうが、日常のちょっとした擦りには効果があるのではないでしょうか?

まとめ

ヌメ革の表面へワックス塗布は、多少の防水効果を発揮することがわかりました。【2】に関しては、多少の艶出し効果はあるようですが、やはりホホバオイルやラノリンと成分に記載されている通り、革の内側に脂分や栄養を浸透させて革の乾燥を防ぎ、柔軟性とコンディションを保つ役割のほうが強いと思われます。オールマイティな印象です。【3】に関しては、成分が詳細に記載されていないので分かりませんが、【2】に比べて革表面のコーティング、艶出しの効果の方に主眼を置いたワックスのようです。これは人それぞれのお好みによると思いますが、【3】のような艶が出るのを好まない人は【2】だけでも十分なのだと思います。ただ、擦れには十分ご注意ください。
それぞれ異なる性能、特性があります。どちらのワックスが優れているかどうかを実験しているわけではありませんので、ご参考程度にお考えください。

いかがだったでしょうか?雨シミや擦れに弱いと言われるヌメ革、綺麗に使いたいと思われるなら是非お試しください。ただし、毎日ワックスを塗るなどの過度のメンテナンスは厳禁です。あくまでも『構い過ぎず、放おって置き過ぎず』普段から普通に使ってあげることが一番のメンテナンスです。もし、傷やシミが付いてしまっても、それが味になっていくのがヌメ革の魅力ですよ。

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