持手の仕上げ
昨日と今日は背中の痙攣に襲われて、連日の猛暑も手伝ってへたってしまいそうです。使いたくはなかったんですが、制作室の冷房を使ってしまいました。
昨日までの作業はこちらです。
今日は早速Tさんのトートバッグの持手の仕上げからスタートです。コバの合わせ目を均したところから、ヘリ落としで切り口の角を落としていきます。
ヤスリ掛けとヘチマ磨きを繰り返しながら滑らかに整えていきます。手が触れるところですので、感触良く仕上げるようにしています。
持手が仕上がりました。丸みを帯びて綺麗に仕上がりました。白の麻糸もきっちり縫えています。ラミー糸は天然の苧麻の繊維から出来ている糸なので、蜜蝋でロウ付けしても若干毛羽立ちます。毛羽立ちが嫌な人は蜜蝋をこってり塗るそうですが、余った蜜蝋は縫い目の穴にこびりついて見た目も汚いので、私は控えめに塗っています。使っているうちに自然に毛羽立ちも消えていきます。
いよいよ本体の制作へ
持手の制作が終わりましたので、本体部分の制作に取り掛かりましょう。今回Tさんのご要望により特注サイズでかなり大きいです。もちろん一枚革で切り出しています。今回切り出した部位は、肩から背中にかけてのショルダー部分です。繊維の密度が締まっていて、特長であるトラ模様がうっすら出ています。
切り出した本体パーツのコバ(革の断面)を整えておきます。こちらも持手と同様、ヘリ落とし→やすり掛け→ヘチマ磨きを繰り返して磨きます。
磨き終わったら目打ちして早速手縫い開始です。使用している栃木レザーは原厚の為、革の裏が起毛しています。両脇二本ずつのステッチになります。縫い進めるほどカバンの奥側に糸が進みますので、徐々に縫いづらくなっていきます。合計4本地道にコツコツと手縫いしていきます。
とりあえず本日は本体の側面縫いまで終わりました。明日は持手の取り付け、マチの手縫いと仕上げをしていよいよ完成になります。

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