ツールケース再び
くも舎の舎用車フィアットパンダは1982年にイタリアで生まれた車です。30年経過しているとはいえ、世の中の車好きな人からすると最近の車です。車は自分で点検するとか、部品を交換するとか、簡単なものなら修理するとかそんなことができるギリギリ最後の世代がこのフィアットパンダじゃないでしょうか。それ以降はコンピューターが制御をはじめてしまって素人の手に負えなくなってしまいましたね。だから、うちのパンダには携帯用工具袋があると安心なんです。ちょうどパンダが板金で入院していますので戻ってくる前にツールケースとプラグケースを作ろうと思いまして、先日試作していましたが、なんとなく思い通りになってきましたので数種類作ってみました。
これがわが舎のフィアットパンダです。1982年式です。
どんな革が向いているのか
車などの工具入れと汚れは切っても切れない仲です。グリスやオイルが必ずついてしまいます。だから汚れが付きにくくて目立たない革で作ってみました。
まず最初に選んだ革は非常に柔らかいもので、工房にある端切れ籠の中にあったミネルバボックス風の革。表面にシボ加工がされていて、昔の革の純正工具袋なんかはこんな感じだったかな?と思ってセレクトしました。ところでミネルバボックスという革はイタリアのバダラッシカルロ社で作られた味のある革です。パンダも一応イタリアの車ですからね。ただ、今回使用した革はミネルバボックスではありません。あくまでも『風』ということで。
色がタバコ色なので糸も黒くして縫いました。あたりまえですがまったく縫い目が目立ちません。
はい。完成しました。巻きつける紐も同じ革で作りました。この紐を巻きつけるのは良くある方法ですが、金具も縫いも必要なくて大変合理的ですし、デザイン的にも好きです。
内縫いで作ってみる
ミネルバボックス風ツールケースが完成したところで、今度は内縫いでやってみようかと思いまして作ってみました。こちらも工房に有ったタンナー不明の革を使いました。色はキャメルで表面は滑らかなのですが、柔らかくしたかったので揉みこんでシボを作りました。手で揉んだくらいではたかが知れていますが、とても柔らかくなってちょっとクタッとした感じになりました。
内縫いですので革の床面から手縫いしていきます。縫い終わったらひっくり返します。ひっくり返す場合は爪で傷つけないように気を付けます。
蓋部分は普段は捨ててしまう革の端っこの切りっぱなしをそのまま使いました。端っこの方も手で漉いて整えます。
内縫いバージョンのツールケースができました。内縫いはふんわりと柔らかい印象に仕上がります。これも可愛くていいかもしれません。
スパークプラグケースを作ってみる
エンジンが動くために必要なスパークプラグもいざという時のために予備を入れておきたいんですが、プラグの先端を守る構造を考えてみまして、なるべく単純に作ってみました。本体と同じ革を筒状にして切れ込みを入れただけ。早速プラグをはめ込んでみます。
ばっちりです! 製品化する際には床面もきっちり磨いて作ってみます。
コメントを残す