先週アップしたOさんのトートバッグ2型ですが、私の手違いがありまして革の入荷があるまで一旦ストップさせて頂きました。Oさんからは『仕上がりを楽しめる時間が増え幸いです。』と返答頂きまして、本当に恐縮しております。本体編は来週のアップになりそうです。
さて、今日はトートバッグの制作の話題からずれまして、新しいカメラストラップのお話です。
酷使したカメラストラップ
2014年に設計したカメラストラップを私のメインデジカメで約2年ほぼ毎日使ってきました。かなりラフに使い込んでいくうち、こうなったら良いなと言うものが見えてきました。
日々の制作の合間にカメラストラップを改良し、なんとか新型『カメラストラップ2型』としてリリースすることが出来そうです。
今回ストラップをつくる上で目標としたのは…
・耐久性の向上
・利便性の向上
です。
ドーンと目標を出したものの、これって当たり前の事ですよね…。
まあ、色々な面を改良しつつ、デザインはもっとシンプルにしていきたいなと思いまして、下記の項目で実現することにしました。
・ベルト用の革でつくる
いままで栃木レザー製オイルレザーのショルダー(肩)からバット(尻)の比較的丈夫な部位を使用してきましたが、より繊維が密で強靭なベルト用の革を使用することで、ストラップ自体の幅を細くすることができます。これは重量を大幅に減らしつつ、カメラを扱いやすくするメリットが得られます。
・縫い目をなるべく減らす
これはストラップの耐久性に直結します。なるべくパーツ点数を減らすことで、縫い合わせる部分を減らし、糸切れの可能性を低くします。
・長さの調整を金具無しで行いたい
これは耐久性には相反することかもしれませんが、従来のギボシによる長さ調整ではなく、金具を使用せずに革の特性を利用しつつも強度のある調整法でつくりたいと思いました。そこで参考にしたのは、着物の帯の結び方や子供の剣道の竹刀など、昔から日本で使われていた『結い』の技法です。色々と試行錯誤して、カメラを支えられる十分な強度と、シンプルさを兼ね備えた結び方を探した結果。最終的には日本から離れて西洋のネクタイにたどりつきました。
※試行錯誤の数々・・・
それでは制作開始
今までのカメラストラップは20mm幅をベースとしたメインベルトに10mm幅のベルトをジョイントした構成になっていましたが、今回はよりシンプルに10mm幅一本で行きます。切り出したベルトを加工していきます。
肩当ては40mm幅から30mm幅へとスリム化。メインベルトの10mm幅と相まってスラリとしたストラップに仕上がるはずです。
カメラを取り付けるリングはさすがに金具です。ただ、ここにも少し改良を加えます。どうしても金具付近は無理な力が掛かりやすいので、内側にアクリルのベルトを一緒に縫いこんでいます。たとえ金具付近の革が劣化して千切れたとしても、引っ張りにとても強いアクリルのベルトが内側にあるので安心です。そして金具付近の劣化が確認できたらここの部分だけ新品に取り換えられます。
ストラップが完成しました
ベルト一本一本をしっかりと磨き上げて、新しいカメラストラップ『2型』の完成です。1型と比べて本当にスリムになりました。10mm幅のベルトはカメラを構えても邪魔になりません。
2型の最大の特徴。金具を使用しないシンプルな調整パーツ。簡単な構造ですがカメラを支える強度はあります。このネクタイみたいなバックル部分をカメラの左側に付けますと、撮影時に邪魔になりません。
カメラに取り付けてみました。
防湿庫からオリンパスペンFTクロームを取り出してストラップを装着します。クラシックなフィルムカメラに是非使ってもらいたいストラップです。
近日中に販売開始したいと思います。
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