本当にベスパでひとっ走りしたい陽気が続いておりますが、まともに走れておりません。ちょっとした用事に出かけるものの、すぐに帰ってくるような調子です。明日から本格的に梅雨に入るようです。気晴らしにベスパでちょっとした遠出が出来るのはいつになる事やら…
妄想はそれくらいにして、今日はNさんからご依頼の長財布1型の制作をスタートしました。
長財布1型とは?
カードが6枚に、お札入が2か所のシンプルで薄い手縫の長財布です。内側の革を外側の革色と変更することでコンビをお楽しみいただけます。
素朴な生成りの長財布
Nさんからのご指定はイタリアのバケッタレザー、リスシオのボーネになります。リスシオの質感は牛脚油をたっぷりと含んだ『しっとり』『やわらか』という言葉がピッタリな革で、最初はマットな銀面(革の表側)も使い込むうちに艶が出てきます。特にボーネ(生成)は経年変化が強く、飴色に変化していくのを楽しめる革になります。
革包丁の刃を入れるとキュッと音が鳴り、スーッとカットしていくと切り口は艶が出ます。繊維が詰まっているのを実感できます。
手製のプレス機で刻印を打刻します。オイルがにじむことでロゴの色が濃く出ます。
全てのパーツをコバ磨きしていきます。薄いパーツもしっかりとやすり掛けしてからヘチマで磨きあげます。
カード入のパーツを制作していきます。ポケットの縁は力が掛かる部分ですので、補強も兼ねて豚革のパッチを当てて一緒に縫っています。縫い糸はラミー糸のカーキ色になります。ラミー糸は自然の光沢感があり、カーキも金色のように見えたりします。
カードポケット部分の手縫いが完了しました。パーツを仮で合わせて全体的なイメージを確認します。
今日はここまでです。明日は本体部分の手縫いとコバ磨き、写真撮影をして発送いたします。
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